「ロシアのもふもふ猫」サイベリアンの特徴

日本も猫好きな国としては負けていませんが、猫好きな国民性で有名なロシアで育った、愛され猫のサイベリアン。
古来よりロシアの国猫として大切にされている猫種で、そのもっふりした豊かな毛並みと、丸みのある立派な体型には、なんとも言えないエレガントで誇り高い雰囲気が漂いますね〜。

こちらのサイトではそんな伝統あるサイベリアンの特徴や飼い方、家族として迎える際の魅力をブリーダーの立場からご案内させていただきます。

 

可愛らしいサイベリアン子猫の外見

 

サイベリアンの外見の特徴

サイベリアン基本DATA

  • 誕生年: 1996年
  • 公認団体: CFA・TICA・FIFe・GCCF
  • 英語表記: Siberian
  • 原産地: ロシア東部
  • タイプ: ロング&サブスタンシャル
  • 原種: 古来より自然に発生
  • 毛種: 長毛種・トリプルコート
  • 目色: グリーン・ゴールド・カッパー など
  • 毛色: ソリッド、タビー、ティップド、パーティーカラー、キャリコ&バイカラー、ポインテッド
  • 体高: 23~25cm
  • 体重: オス5〜10kg以上、メス4〜8kg以上
 

世界中で愛されるもふもふ猫

「サイベリアン」とはロシアの「シベリア」が由来となった名前です。
その名の通り、ロシアを代表する国猫と呼ばれるほど親しまれてきた、もふもふの長毛腫。
比較的大型でワイルド、そして優美な猫種です。
極寒のシベリアで育ってきただけあって、強い体と豊かな被毛が特徴的ですね。
成猫になれば首回りの被毛が豊かに伸びてマフラーのように目立ってくる、「襟毛」となることもあります。
大型種の、しかも長毛で、厳かな表情も印象的なサイベリアン。
ロシアの著名人に愛されてきた立派な容姿と、大人しくて懐きやすく、賢く、社交的なところが優等生の貫禄を感じます。

サイベリアンの子猫の販売時

 

強さと丸みが共存する樽型体型

そんなカッコ可愛いサイベリアン。
私たちが親しんできた日本猫とは趣が異なる、荘厳なヤマネコのようなしっかり体型です。
一説には「ビア樽」と言われるとのことですが、いわゆるポッチャリとは少し違います。
骨格ががっしりとしていて、筋肉も良く発達し体が丸みを帯びてきます。
その体がフワフワの被毛に包まれますので、ひとまわりふんわりもっふりと膨らむというワケです。

比較的大型の猫種に数えられるサイベリアンなのですが、子猫の頃はとても小さく、成長も大変遅い猫として知られています。
完全に成長しきるまでに5年かかるとも言われていますが、成猫に見える大きさになるまで1年、さらにゆっくりな子だと2年かかることも。
以後、体や被毛が完全に成熟するまでゆっくりと変化していきます。
ですので2歳や3歳になっても、まだまだ成長期です。
活発に戯れて、可愛い子猫のようなあどけない表情が続きます。
目や耳が大きいのも童顔に見えるポイントで、さながら大きな子猫といった印象です。
また、個体差はありますが男の子と女の子とでは成長に違いが出る場合があり、男の子の方が体が大きくなる傾向があります。

6種類に別れる猫のボディタイプ
猫の体型・体格は、ボディタイプとして大きく6つに分類されています。

  • コビー: がっしりとした筋肉質のずんぐりむっくりな体型
  • セミコビー: ややがっしりで大きな目としっかりしたあごが特徴
  • オリエンタル: ほっそりスリムで小さな逆三角形の顔と大きな耳
  • フォーリン: オリエンタルより少し丸みを帯びたオリエンタル系な体型
  • セミフォーリン: コビー系とオリエンタル系のちょうど中間くらい
  • ロング&サブスタンシャル: 大型でどっしりとした骨も筋肉も立派なタイプ

サイベリアンは比較的体高が高く、体長も長い大型猫の仲間です。
骨太でがっしりとしていて筋肉もしっかり、体重も重いロング&サブスタンシャルに分類されています。

 

しっかりした被毛と毛色の美しさ

サイベリアンの毛色はブラウン系のタビーが多いのですが、ありとあらゆるパターンや毛色が認められています。
故郷ロシアで公認される毛色は主に茶色や黒褐色などで、アメリカなど世界では多くの色とパターンが公認されています。
ブラックやブラウン、ホワイト、レッド、シルバー、ブルーなどなど、大変バリエーション豊富です。
模様の出方も個体差によるものが大きく、タビー系のスポットを持つものや、バイカラー、キャリコカラー、ソリッドカラー、タビーなどいろいろな模様が存在し、公認されるパターンは登録団体によって異なっています。

また、サイベリアンならではの厳しい寒さに耐える3層構造の「トリプルコート」と言われる、大変珍しい被毛の個体が多く存在することで知られています。
これは猫の中でも極めて稀なものです。
一番外側の毛はガードヘアとも呼ばれ、外気を遮断するための撥水性のある被毛です。
寒さや雪から身を守るために発達した上毛、オーバーコートは、皮脂分が多くしっとり、そしてしっかりした手触りです。
その下には、体温を閉じ込めるふわふわの下毛、アンダーコートが密に生えています。
冬には密度のある美しい被毛で覆われ、換毛期になると冬毛は徐々に抜けて、夏にはすっきりとした印象に変わります。

愛玩動物の被毛は専門用語だらけ
被毛の特徴には様々な用語が発展していますね。

  • ガード・ヘアー
    上毛、一番外側の被毛を形成している長く太めの毛。オーバー・コート、保護毛ともいう。
  • オーバー・コート
    一般的な猫においては言葉の意味ではガードヘアと同義なのですが、サイベリアンの場合はしなやかなオーバーコートの更に外側に、より撥水性の高いガードヘアがあり守られています。
  • アンダー・コート
    長いガードヘアの根元にある短くふわふわしたウール状の毛のこと。
  • ソリッドカラー
    ソリッドカラーは縞や斑点などの模様がない単色、完全な1色のことを言います。色がだんだん変わっていても、光の当たり具合で色や濃さが変わって見えている場合にはソリッドです。
  • バイカラー
    「ブラック&ホワイト」もしくは「ホワイト&ブラック」の毛色。黒が多ければ、「ブラック&ホワイト」、白ならば、「ホワイト&ブラック」と呼ばれます。日本語でも「黒白」「白黒」と呼び分けます。
  • キャリコカラー
    三毛猫のこと。白地に黒と茶色のランダムな斑点が現れる場合が多いですが、黒&茶色の地模様に白斑が入ることもあります。

サイベリアンのキャリコは顔先からお腹が白地で、おでこから背中側にパターンが見られるキャリコが多く、カラーも様々です。同じホワイトベースでタビー&ホワイトも良く見られます。

 

可愛らしい子猫から大変な美人さんに成長

サイベリアンの顔は中型で丸みのある三角形、大きな丸い目は愛くるしい表情をしています。
丸みを帯びた輪郭に、同じく丸みを帯びた耳、少しつり目の目尻が涼しげな大きな目、鼻筋は低め小さめで額から鼻にかけて滑らかな曲線を描きます。
可愛らしさと美しさが共演する、お顔のバランスの良さが長く愛されてきた由縁かもしれません。

子猫の時代の顔は「おまんじゅう」の両横に小さい耳をつけたような感じで、目はまん丸。
可愛い、可愛い、顔立ちをしていて、どんな成長を遂げるのか、なかなか想像できません。
しかしだんだんと鼻筋がスッキリして、目尻がキリリと引き締まり、ロシアの国宝級の猫であることに納得させられる端正な雰囲気を纏っていきます。
ひと時も見逃せない素晴らしい成長が魅力の一つですね。

子猫の頃はおまんじゅうのような顔のサイベリアン

 

サイベリアンのその他の特徴

サイベリアンはもともとロシアの厳しい寒さを生き抜いてきた猫種なので、体はとても頑丈です。
大柄で、筋肉も良く発達しバネのあるたくましい体型で身軽であり、悠々と闊歩します。
一方では大人しく温厚で、色々理解している、頭が切れる印象がありますね。

体の特徴としては特にゴージャスな尻尾をご紹介せずにはいられません。
中くらいの長さのある尻尾で、体全体がぶ厚くフサフサの被毛に覆われているので、特に尻尾はふっさふさで太く見えます。
個体によっては縞模様が出たり、バイカラーになっていたりと表情豊かなタヌキの尻尾のよう。
猫らしからぬ愛嬌があります。

書けば書くほど格好良いのか、それとも可愛いのか、表現が難しいサイベリアンですが、とても高級感ある可愛らしさではないかと思います。
歴史に育まれた多様性と格式の高そうな独特の雰囲気に、つい憧れを抱いてしまう、そんな猫がサイベリアンです。